使わなくなった琴・箏が自宅にあり、「古い楽器でも売れるの?」「いくらくらいで買い取ってもらえる?」と気になっている人もいるでしょう。
琴・箏は種類や作り、彫り、装飾、保存状態などによって査定結果が大きく変わる和楽器です。特に十三絃や十七絃、くり甲、綾杉彫りなどは査定時に確認しておきたいポイントになります。
この記事では琴・箏の買取相場をはじめ、高く評価されやすい特徴、査定前に確認したいポイント、買取方法などをわかりやすく解説します。長年使っていない琴を処分しようと考えている人も、捨ててしまう前に一度その価値を確認してみましょう。
琴・箏は買取してもらえる?まず知っておきたい基礎知識

一般家庭に眠っている琴・箏でも状態や仕様によっては買取対象になります。まずは、どのような楽器が査定されているのか基本的なポイントから確認してみましょう。
「琴」と「箏」は本来異なる楽器
普段は「お琴」という呼び方が広く使われていますが、本来「琴」と「箏」は異なる楽器です。
一般的に、弦の下に「柱(じ)」を立て、柱を動かして音程を調節するものが箏です。一方、琴は柱を使用せず、弦を押さえるなどして音程を変化させます。
現在一般的に「お琴」と呼ばれている十三絃の和楽器は、多くの場合「箏」を指します。本記事では検索時の分かりやすさを考慮し、「琴・箏」と併記して紹介します。
一般的な十三絃箏
多くの人が「琴」と聞いて思い浮かべるのが十三絃箏です。十三本の弦を持ち、学校教育や箏曲教室、演奏会など幅広い場面で使用されています。
同じ十三絃でも練習用から演奏会用まで品質には幅があり、構造や内部の彫り、装飾、保存状態によって査定結果が変わります。そのため「十三絃だから○円」と単純に判断することはできません。
低音を担当する十七絃箏
十七絃箏は十三絃よりも弦が多く、低音域を担当するために用いられる大型の箏です。
一般家庭にある十三絃と比べて流通数が限られ、仕様によっては中古市場でも評価される可能性があります。実際に買取業者の公開実績では十七絃の取引例も複数確認できます。
査定を依頼するときは、十三絃なのか十七絃なのかを伝えておくと話が進みやすくなります。
演奏会用と練習用では評価が異なる
琴・箏には初心者向けや練習用として作られたものから、本格的な演奏会で使用されるものまであります。
演奏会用では、くり甲、綾杉彫り、紅木などの材料や加工が確認される場合があります。ただし「演奏会用だから必ず高価買取」というわけではありません。高級仕様であっても割れや傷、劣化が大きければ査定額が下がる可能性があります。
古い琴でも査定してもらえる
購入から何十年も経過しているからといって、すぐに処分する必要はありません。琴・箏の場合は単純な製造年だけでなく、作りや材料、彫り、装飾、作者、保存状態など複数の要素から評価されます。
家族から譲り受けた琴で購入時期が分からない場合でも、まず写真査定などを利用して価値を確認してみるとよいでしょう。
作者や購入価格が分からなくても相談できる
古い琴の場合、「誰が作ったのか分からない」「購入時の領収書がない」というケースも珍しくありません。
こうした場合でも査定を受け付けている買取業者があります。楽器本体に残っている印や装飾、構造などから確認できる場合もあるため、自分で価値がないと判断する必要はありません。分からない情報については「不明」として査定を依頼しましょう。
値段がつきにくい琴・箏もある
すべての琴・箏が高値で売却できるわけではありません。大きな割れや変形があるもの、修理費用が高くなるもの、再販需要が少ないものなどは値段がつきにくくなる場合があります。
逆に、見た目が古くても仕様や作りによって評価される可能性があります。処分費用を払って捨てる前に、和楽器を扱う業者へ相談しておくと安心です。
琴・箏の買取相場はどのくらい?
琴・箏には一律の買取相場があるわけではありません。同じ十三絃でも仕様と状態によって価格差があります。ここでは、2026年9月時点で公開されている買取実績を参考に傾向を見ていきます。
十三絃箏の参考買取価格
公開されている買取実績の一例では、十三絃の演奏会用で35,000円、くり甲13絃・子持ち綾杉彫りで30,000円、くり甲13絃・子持ち綾杉彫り・玉縁包み・紅木を備えた演奏会用で32,000円といった参考価格が確認できます。
ただし別の業者では、高級仕様でも傷みが多い十三絃箏が5,000円となった例があります。仕様だけでは価格を判断できないことが分かります。
十七絃箏の参考買取価格
十七絃については公開実績として40,000円、50,000円、70,000円などの例があります。さらに2026年5月には、くり甲・綾杉彫りの十七絃箏に120,000円の参考買取価格が掲載された事例もあります。
このように十七絃でも価格差は大きいため、弦の数だけではなく、くり甲などの構造や彫り、装飾、状態を含めて査定してもらう必要があります。
相場はあくまでも目安として考える
インターネット上で見つかる「琴の買取相場」は、売却価格を保証するものではありません。買取時期や業者の在庫、需要、楽器の状態などでも査定額は変動します。
そのため、過去の買取実績は「自分の琴と似た仕様なら、査定を受ける価値があるか」を判断する参考情報として利用するのが適切です。
高く評価されやすい琴・箏の特徴
琴・箏の査定では外見だけでは分かりにくい構造も確認されます。特に「くり甲」「綾杉彫り」などの言葉は、買取情報を調べていると頻繁に目にするポイントです。
くり甲の琴・箏
琴の構造には「並甲」と「くり甲」などがあります。
くり甲は高級な箏で見られる構造の一つで、演奏会用の箏にも採用されています。買取実績でも「くり甲」という仕様が明記された琴が多数掲載されています。
自宅の琴がどちらなのか分からない場合は、無理に分解せず、裏面や側面などを撮影して専門業者へ確認してもらいましょう。
綾杉彫りなど内部の彫り
箏の内部には音響に関係する彫りが施されているものがあります。
綾杉彫り、子持ち綾杉彫り、麻型彫りなどが査定時の確認ポイントとして挙げられています。
外から見ただけでは判断しにくい部分なので、「普通の琴にしか見えない」と自己判断してしまうのは避けたいところです。専門知識を持つ査定担当者に確認してもらうことが重要です。
蒔絵や紅木などが使われた琴
演奏会用や上位仕様の琴では龍舌などに蒔絵が施されていたり、紅木などが使われていたりする場合があります。こうした装飾や材料も査定時に確認されるポイントです。
ただし、装飾があるだけで高額になるとは限りません。琴全体の作り、作者、状態、需要などと合わせて総合的に評価されます。
査定に出す前に確認しておきたいポイント
査定前に琴の状態や付属品を簡単に確認しておけば、問い合わせがスムーズになります。
ただし、価値を損なう可能性があるため、自分で修理や分解をする必要はありません。
割れ・傷・変形などの状態
まず確認したいのが本体の状態です。甲や裏板に大きな割れがないか、目立つ傷や変形がないかを確認しましょう。
保存期間が長い場合は湿気や乾燥による影響が出ていることもあります。傷を隠すために塗装したり接着剤で補修したりすると、かえって査定に影響する可能性があるため、そのままの状態で相談する方が無難です。
琴柱・琴爪・ケースなどの付属品
琴本体だけでなく、琴柱や琴爪、ケース、カバーなどが残っていないか確認しましょう。
長期間使っていない琴では付属品だけ別の場所に保管されていることがあります。査定時にまとめて確認してもらえるよう、押し入れや楽器ケースの中なども探しておくとよいでしょう。
作者・購入店・購入時期などの資料
保証書、購入時の書類、作者や工房が分かる資料などが残っていれば、一緒に準備しておきましょう。
もちろん資料がなくても査定を依頼できるケースはあります。琴本体に銘や印が残されていることもあるため、分からない場合は査定担当者に確認してもらう方法があります。
琴・箏を少しでも高く売るためのコツ
売却すると決めたら査定額を下げる原因を作らないことが大切です。高価な修理を行うよりも、現在の状態を正確に伝えて査定してもらうことを優先しましょう。
無理に修理やクリーニングをしない
長年保管していた琴は、ほこりや汚れが気になるかもしれません。しかし、強い洗剤を使ったり研磨したりするのは避けましょう。
また、割れを自分で接着するなどの修理もおすすめできません。乾いた柔らかい布で表面のほこりを軽く取る程度にして、専門的な手入れが必要な部分は査定時に相談します。
付属品をできるだけまとめる
琴柱、琴爪、ケース、カバー、譜面台など、琴と一緒に使っていたものがあればまとめておきましょう。
すべてが査定額に加算されるとは限りませんが、再利用できる付属品であれば一緒に評価してもらえる可能性があります。特に購入当時の付属品が残っている場合は捨てずに査定時まで保管しておきましょう。
和楽器を扱っている業者にも査定を依頼する
琴・箏には、くり甲や綾杉彫りなど専門知識がなければ判断しにくい要素があります。
そのため、一般的なリサイクルショップだけで判断せず、和楽器の買取実績を公開している専門業者にも相談して比較するとよいでしょう。写真査定を利用できる場合は、複数社へ問い合わせて条件を比較する方法もあります。
琴・箏の買取方法を比較
琴・箏はサイズが大きいため、小型楽器とは売却方法の選び方が異なります。特に持ち運びが難しい場合は、出張買取を利用すると負担を抑えられます。
出張買取
査定担当者に自宅まで来てもらう方法です。標準的な箏でも全長は約180~190cmあるため、自分で店舗まで運ばなくてもよい点は大きなメリットです。
複数の琴をまとめて売却したい場合や重くて持ち運べない場合にも向いています。申し込む前に出張対象地域や出張料、キャンセル料などを確認しておきましょう。
店舗買取
自分で琴を店舗へ持ち込み、その場で査定してもらう方法です。近くに和楽器を扱う買取店があり、安全に運搬できる場合には選択肢になります。
ただし、琴は長いため自家用車でも運搬しにくい場合があります。無理に運んで本体を傷つけるくらいなら、出張査定などを検討した方がよいでしょう。
宅配・写真による事前査定
宅配買取に対応している業者もありますが、琴は大型なので梱包方法や送料、配送中の破損リスクを事前に確認する必要があります。
最初から発送するのではなく、まず写真やLINE、メールなどによる事前査定を利用する方法もあります。本体全体、裏面、龍舌、内部、傷や付属品などを撮影しておくと相談しやすくなります。
琴・箏の買取業者を選ぶときのポイント
査定額だけを見るのではなく和楽器の取り扱い実績や手数料なども比較しましょう。条件を確認せずに依頼すると、売却時に想定外の負担が発生することがあります。
琴・箏の買取実績が掲載されているか
業者の公式サイトで琴・箏の買取実績を確認してみましょう。十三絃、十七絃、くり甲、綾杉彫りなど具体的な仕様を掲載している業者であれば、自分の琴に近い取引例を探しやすくなります。
ただし、掲載価格は過去の実績であり、自分の琴にも同額が提示されるとは限らない点には注意が必要です。
査定料・出張料・キャンセル料を確認する
査定を申し込む前に査定料だけでなく出張料、送料、キャンセル料などを確認しましょう。
「無料査定」と書かれていても利用する買取方法によって条件が異なる可能性があります。公式サイトの利用規約や買取方法を確認し、不明な費用については申し込み前に問い合わせておくと安心です。
複数の査定結果を比較する
琴・箏は査定に専門知識が必要なため、業者によって評価が異なる可能性があります。
時間に余裕があれば最初の査定額だけで即決せず、複数の業者から見積もりを取って比較する方法があります。金額だけではなく出張費などの手数料を差し引いた最終的な受取額まで確認して判断しましょう。
買取できなかった琴・箏はどうする?
査定を受けても値段がつかない場合があります。しかし、すぐ廃棄する必要はありません。楽器として使用できる状態なら、別の方法で活用できないか検討してみましょう。
教室や演奏者への譲渡を検討する
まだ演奏可能な琴であれば箏曲教室や演奏者、知人などへの譲渡も選択肢です。
ただし、相手が必要としているとは限らないため、突然持ち込むのではなく事前に相談しましょう。学校や公共施設などへの寄付についても、必ず受け入れ可能か確認してから手続きを進める必要があります。
個人売買という方法もある
フリマアプリやネットオークションなどを利用して個人で売却する方法もあります。
ただ、琴は大型で発送が難しく、送料や梱包、配送中の破損、購入者とのトラブルなどにも自分で対応する必要があります。売却価格だけを見るのではなく、梱包や配送にかかる手間まで考えて選択しましょう。
廃棄するのは価値を確認してから
どうしても買取や譲渡が難しい場合には処分を検討することになります。ただし、自治体によって大型楽器の処分方法や料金は異なります。
まず、査定を受けて価値がないことを確認し、そのうえで居住地域の自治体が定める処分方法を確認しましょう。価値が分からない琴を最初から粗大ごみに出すのは避けたいところです。
まとめ|琴・箏は処分する前に一度査定してみよう
琴・箏の買取価格は、十三絃・十七絃といった種類だけでは決まりません。くり甲、綾杉彫り、蒔絵などの仕様や装飾、作者、保存状態、付属品、中古市場の需要などを含めて評価されます。
特に長期間自宅で保管されていた琴は、持ち主自身でも詳しい仕様が分からないケースがあります。「古いから価値がない」と判断して処分してしまう前に、琴・箏の査定実績がある業者へ写真を送り、価値を確認してみるとよいでしょう。
査定を受ける際は無理に修理したり分解したりせず、琴柱や琴爪、ケース、購入時の資料などが残っていれば一緒に準備します。また、査定価格だけでなく出張料や送料、キャンセル料なども確認し、可能であれば複数の査定結果を比較して納得できる方法で売却しましょう。

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